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私は町の団体の暗闘に就ついて多少聞いたこともあるが、そんなことをここで君に話そうとは思わない。ただ、祭以前に紛擾ごたごたを重ねたと言うだけにして置こう。一時は祭をさせるとか、させないとかの騒ぎが伝えられて、毎年月の始めにアーチ風に作られる〆飾しめかざりが漸く七日目に町々の空へ掛った。その余波として、御輿みこしを担かつぎ込まれるが煩うるささに移転したと言われる家すらあった。そういう騒ぎの持上るというだけでも、いかにこの祭の町の人から待受けられているかが分る。多くの商人は殊に祭の賑にぎわいを期待する。養蚕から得た報酬がすくなくもこの時には費されるのであるから。
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