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抽斎は衣服を取り繕う暇ひまもなく、馳はせて隠居信順のぶゆきを柳島の下屋敷に慰問し、次いで本所二つ目の上屋敷に往った。信順は柳島の第宅ていたくが破損したので、後に浜町はまちょうの中屋敷に移った。当主順承ゆきつぐは弘前にいて、上屋敷には家族のみが残っていたのである。
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