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ベッドの上より手を伸ばして、窓かけ引き退のくれば、今向こう山を離れし朝日花やかに玻璃窓はりそうにさし込みつ。山は朝霧なお白けれど、秋の空はすでに蒼々あおあおと澄み渡りて、窓前一樹染むるがごとく紅くれないなる桜の梢こずえをあざやかに襯しんし出いだしぬ。梢に両三羽の小鳥あり、相語りつつ枝より枝におどれるが、ふと言い合わしたるように玻璃窓のうちをのぞき、半身をもたげたる武男と顔見合わし、驚きたって飛び去りし羽風はかぜに、黄なる桜の一葉ばらりと散りぬ。
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