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奥殿と中殿とのあいだを渡してある唐橋からはしの欄らんに立って望むと、無数の舞扇を重ねたような天守閣の五層の廂ひさしと、楼門の殿閣でんかくの大廂おおびさしとは、見事な曲線を宙ちゅうに交錯こうさくさせている。そして山上から麓にいたるまでも、豪壮な建築物の壁や屋根の森のあいだに点綴てんてつされ、それから平面に展ひらけている安土城下の全市街は、濃藍のうらんな暮色のなかに星を撒まいたような灯の海をなしていた。
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