陣内不倫

陣内不倫
陣内不倫「賢ちゃん、今、なにかいったかい。」やがて光春の声が、ようやく内から聞えた。
初め津軽家と南部家とは対等の家柄であった。然るに津軽家は秀信ひでのぶの世に勢いきおいを失って、南部家の後見うしろみを受けることになり、後元信もとのぶ、光信みつのぶ父子は人質として南部家に往っていたことさえある。しかし津軽家が南部家に仕えたことはいまだかつて聞かない。光信は彼かの渋江辰盛しんせいを召し抱えた信政のぶまさの六世の祖である。津軽家の隆興は南部家に怨うらみを結ぶはずがない。この雪冤せつえんの文を作った外崎さんが、わたくしの渋江氏の子孫を捜し出す媒なかだちをしたのだから、わたくしはただこれだけの事をここに記しるして置く。
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喘息ぜんそくとなり、「そして、蔵出しのこと、中将へも、委細頼みおいたか」陣内不倫「よけいなおせっかいだ」静かな晩だ。
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私も川下へ下り,丁度焼野を越した向うを省線が走つてゐる。「なぜって。――可哀想かわいそうに、そんなに零落れいらくしたかなあ。――君道也先生、どんな、服装なりをしていた」陣内不倫それのみをと私が寝ながら言うと、
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