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翌々日に私はまた鶴沢という方の谷間たにあいへ出たことがあった。日光が恐しく烈しい勢で私に迫って来た。四面皆な雪の反射は殆ほとんど堪えられなかった。私は眼を開いてハッキリ物を見ることも出来なかった。まぶしいところは通り過こして、私はほとほと痛いような日光の反射と熱とを感じた。そこはだらだらと次第下りに谷の方へ落ちている地勢で、高低の差別なく田畠もしくは桑畠に成っている。一段々々と刻んでは落ちている地層の側面は、焦茶色の枯草に掩おおわれ、ところどころ赤黝あかぐろい土のあらわれた場所もある。その赤土の大波の上は枯々な桑畠で、ウネなりに白い雪が積って、日光の輝きを受けていた。その大波を越えて、蓼科の山脈が望まれ、遙はるかに日本アルプスの遠い山々も見えた。その日は私は千曲川の凄すさまじい音を立てて流れるのをも聞いた。
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